WordPressで運営しているブログを高性能なサーバーに移転したいけれど「サーバー移転は難しそう」と躊躇している方は多いんじゃないんでしょうか?
私もそうでした!
が、先日サーバー移転の必要に迫られ重い腰を上げてやってみたところ意外と簡単にWordPressの引っ越しをすることができたので、その時やったサーバー移転の手順を忘備録として記事にしておきます。
記事中では移転元のサーバーを旧サーバー、移転先のサーバーを新サーバーと表記することにします。
WordPressのサーバー移転方法を比較検討
調べてみるとWordPressを他のサーバーに移転する方法は大まかに分けて
- 全て手動で移転
- プラグイン『Duplicator』を利用して移転
- プラグイン『All-in-One WP Migration』を利用して移転
の3通りあります。
私はまず、この3つの方法のどれで移転させるべきかの検討から始めました。
全て手動で移転させるのは大変そう
1の全て手動で移転させる方法は、FTPソフトなどを使って旧サーバーから全データをダウンロードして新サーバーにアップロードする方法です。
WordPressが入っているディレクトリをごっそり移動させるだけで済むのなら楽なのですが、それほど簡単ではありません。WordPressはMySQL(データーベース)を利用しているのでphpMyAdminを使用してエクスポート、インポート作業も必要になりますし、その他にもwp-config.phpの編集やら付随する作業が結構あります。
なんだか大変そうですよね?
私はこのあたりまで調べて「私には無理っぽい、絶対うまくいかない」と思い始め、他のサイトさんの多くがこの方法ですんなりと移転できず悪戦苦闘をした記事書いているのを見たのもあって手動での移転は断念しました。
WordPressはやっぱりプラグインだよね
WordPressには多数の便利なプラグインが先人達によって開発され利用できるようになっています。
サーバー移転でも何か便利なプラグインがあるんじゃね?
と言うことで調べてみると『Duplicator』か『All-in-One WP Migration』と言うプラグインでサーバー移転をしている方が多いことがわかりました。
で、どちらのプラグインで移転させるが良いのかさらに調べてみると…
どちらのプラグインもパッケージとして旧サーバーのデーター(記事、プラグイン、テーマ)をエクスポートする点は同じですが、新サーバーでの作業内容に違いがありました。
『Duplicator』では新サーバーへのアップロードにFTPソフトを使用しなければならなかったり、新サーバーでMySQLデーターベースの作成が必要になります。
『All-in-One WP Migration』では新サーバーにWordPressをインストールしてそこに旧サーバーからエクスポートしたデーターをインポートするだけです。
私の移転先レンタルサーバーmixhosではWordPressのインストールに簡単アプリインストールが利用できるのでMySQLデーターベースの作成は自動でやってくれます。となると、『All-in-One WP Migration』を利用した方が作業の手数が少なくトラブルが少なく済みそうです。
ブログは失敗しても記事になるとは言うものの、やはりトラブルはない方が私は良いので『All-in-One WP Migration』を利用して移転ささせることに決定しました。
『All-in-One WP Migration』を使用したWordPress引越方法
『All-in-One WP Migration』を利用してサーバー移転を行う手順は
- 旧サーバーでの移転事前準備
- 新サーバーでの移転事前準備
- 新サーバーWordPressにデーターインポート
- ネームサーバー変更
です。移転時に読者の方がブログにアクセスできない期間(数時間から72時間程度)ができても構わなければ3と4は前後しても構いません。
※後述しますがブログを無停止で移転させるにはPC内のhostsファイルの編集が必要で初心者向けではありません
旧サーバーでの移転準備
移転作業をする前に、旧サーバーからデーターをエクスポートしダウンロードします。
WordPressの更新
旧サーバーと新サーバーのWordPressのバージョンが異なると上手く移行できない場合があるので旧サーバーのWordPressを最新バージョンに更新しておきます。
バックアップ
何か起こってもブログを復元できるようにバックアップは必ず取っておきましょう。
キャッシュプラグインの停止
私はWordPressに手を加える場合必ずキャッシュプラグインは停止させてから作業します。必要ない気もしましたが、移転作業でもキャッシュプラグインは停止させました。
プラグイン『All-in-One WP Migration』をインストール
これがなくては始まらないのでプラグイン『All-in-One WP Migration』をWordPressにインストールして有効化します。
プラグインのインストール方法については
データーのエクスポート
1:『All-in-One WP Migration』を有効化するとWordPressの左メニューに『All-in-One WP Migration』が追加されるので、マウスのポインタを合わせて拡張メニューを表示さてExportをクリックします。
2:EXPORT SITEと表示されたら緑色のEXPORT TOをクリックします。
3:メニューが開いたらFILEをクリックします。
4:エクスポート処理が始まるので完了するまで待ちます。
5:エクスポートが完了するとダウンロードできるようになるので、ファイルをダウンロードします。
ダウンロードしたファイル(ドメイン-タイムスタンプ.wpress)は新サーバーへのインポートに必要になのでわかりやすい場所に保管して下さい。
※無料版の『All-in-One WP Migration』ではSIZEが512MBを超えるファイルのインポートができません。無料で済ませたい場合は「Advanced option」をクリックして、Do not export media library (files)にチェックを入れて再度エクスポートしてみましょう。それでもSIZEが512MBを超えてしまう場合は有償版を購入してしまうのが楽です。(この場合メディアファイルは移転されないので、移転完了後にFTPソフトなどを利用して手動でメディアファイルを転送して下さい。要するにSIZEが大きくなる原因は大抵メディアファイルにあるのでメディアファイルは手動で移転するということですね。)
新サーバーでの移転準備
移転先サーバーにWordPressを新たにインストールします。
新サーバーにドメインを設定
URLを変更せずに移転する場合は旧サーバーで使用中のドメインを新サーバーに設定します。別のドメインを利用する場合はそのドメイン設定して下さい。
※ドメインを変更した場合は移転完了後に内部リンクの書き換えなどが必要になる場合があります
WodPressを新サーバーにインストール
ドメインの設定ができたらそのドメインで新サーバーにWordPressをインストールします。この時設定するユーザー名やパスワードは移転作業でログインする際に使用しますが、移転作業完了後は使いません。と、言いますかインポートが完了するとユーザーが消えてしまうので使えなくなります。
ここで別れ道です
ここまででサーバへのWordPressのインストールまで済みましたが、DNSが旧サーバーに向いたままなので新サーバーのWordPressにアクセスできません。
新サーバーのWordPressにアクセスするためには
- ドメイン管理会社(お名前.comやスタードメインのことです)のネームサーバを変更する
- 自PC内のhostsファイルを編集して自分だけ新サーバーにアクセスできるようにする
のどちらかをする必要があります。
この段階でネームサーバーを変更してしまうと移転作業が完了するまでの間、検索経由で訪れてくれた読者の方には該当のページがないわけですから404が表示され、ブックマークで訪れてくれる方にはまっさらなトップページをさらしてしまうことになります。
収益ブログなら機会損失ですし、趣味ブログであってもかっこいいものではありませんよね。
このような事態を避けるためには、自PC内のhostsファイルの編集して自分だけ新サーバーにアクセスできる状態にする必要があります。自分だけ新サーバーのWordPressにアクセスできるようにして移転作業をし、作業終了後にネームサーバを変更するわけです。
※作業終了後にhostsファイルを元の状態に戻すのを忘れないようにしましょう
hostsファイルを編集して自分だけアクセスできるようにするのが機会損失もなくスマートな方法ですが、hostsファイルの編集は失敗するとPCの挙動がおかしくなったり最悪PCを起動できなくなるリスクがあります。
※編集自体は簡単なのでそれほど恐れることはありません
hostsファイルの編集方法は
hostsファイルの変更方法
機会損失を取るかhostsファイル編集のリスクを取るかはご自身で判断して下さい。
新サーバーでのデーターのインポート
新サーバーのWordPressにログインできるようになったら、先ほど旧サーバーでエクスポートし自PC内にダウンロードしたファイルを新サーバーのWordPressにインポートします。
WordPressのバージョンを確認
新サーバーにインストールされているWordPressのバージョンが旧サーバーのWordPressと同じ最新バージョンになっているか確認して下さい。
プラグイン『All-in-One WP Migration』をインストール
新サーバーのWordPressにもプラグイン『All-in-One WP Migration』をインスールし有効化します。
データーをインポート
1:『All-in-One WP Migration』を有効化すると左側メニューに『All-in-One WP Migration』が追加されるので、マウスのポインタを合わせて拡張メニューを表示さてImportをクリックします。
2:IMPORT SITEと表示されたら緑色のIMPORT FROMをクリックします。
3:メニューが開いたらFILEをクリックします。
4:先ほど旧サーバーから自PCにダウンロードしたファイル(ドメイン-タイムスタンプ.wpress)を選択して開くをクリックします。
5:ファイルのアップロードが開始されます。アップロードが完了すると続いてインポートが開始されます。

アップロード中
↓

インポート中
6:しばらくするとインポートの最終確認メッセージが表示されるのでCONTINUEをクリックします。
7:インポートが完了したら1. You must save your permalinks structure twice. Permalinks Settingsをクリックします。
8:WordPressのログイン画面が表示されたらい旧サーバーで使用していたユーザー名とパスワードでログインします。
9:パーマリンク設定画面の一番下の変更を保存をクリックします
10:もう一度、パーマリンク設定画面の一番下の変更を保存をクックします。
※この動作は2回やる必要があります
11:設定したドメイン(http://ドメイン名/)でアクセスして間違いなくWordPressを移転できたことを確認できたらインポートは完了です。
サーバー移転作業完了
インポート作業前にネームサーバーの変更を終えている場合は以上で移転作業は完了です。
hostsファイルを編集して自分だけ新サーバーにアクセスできる状態にしている場合は、hostsファイルを元の状態に戻しネームサーバーの変更をして移転作業は完了です。
移転完了後の注意点
ドメイン管理会社(お名前.comやスタードメインのことです)でネームサーバーの変更を行っても、浸透に数時間から72時間程度かかるので暫くの間は旧サーバー、新サーバーどちらにも繋がる状態になります。
そのため
- 旧サーバーの契約はしばらくの間継続する
- 新たに記事を作成する際は新サーバーに繋がっていることを確認する
ようにしましょう。
せっかく訪問者がきてくれたのに旧サーバーに繋がってブログがなかったら機会損失になってしまいます。
また、ブログを更新したのにそれが旧サーバだと当然新サーバーには反映されないので、後で「更新したはずなのに記事がない?」なんてことになってしまうので必ず確認しましょう。
旧サーバーと新サーバーの管理画面の配色を一時的に変えておくと確認しやすいですよ。
mixhostへのWordPress移転は簡単
当エントリーではほとんどのレンタルサーバー間移転に対応できるように記事を書いていますが、実際私が行った移転はさくらのレンタルサーバーからmixhostへの移転でした。mixhostではWordpressの移転方法を詳しく解説したマニュアルもありスムーズに移転することができました。
またmixhostには有償ですがWordPressの移転代行サービス もあるので移転作業に不安がある方や手間と時間をかけたくない方は代行サービスを利用するのもいいかもしれません。
コメント